マンションの値下げのタイミングと値下げ額の見極め方
なかなか売れないので、値下げを考える。これは自然な流れです。確かに、不動産屋で売れない第一の理由は「価格」にありますが、戦略もなしに「100万円下げましょう」というやり方では、まったく効果がない場合もあります。
まずは、あなたのマンションが下記の「売れない理由」のいずれに相当するのかを見極め、不動産屋と相談のうえ、価格調整をしていくと良いでしょう。
ライバル物件と価格競争で負けているケース
不動産屋が販売活動を怠っているケース
本命物件の当て馬になっているケース
そもそも需要がない物件であるケース
『価格』と『スケジュール』はセットで考えるでも述べたように、値下げのタイミングは問い合わせや内覧のあるなしに加えて、あなたがいつまでにマンションを売りたいか、によっても変わってきます。
ざっくりとで良いので、売出価格を決める際に、値下げのタイミングもある程度決めておくのがお勧めです。というのも、人間どうしても、その場になると「もう少し様子を見たい」と迷いが生じてしまうからです。
では、気になる値下げ額の見極め方ですが、目安はあるのでしょうか。これには、「いくら下げる」「何%下げる」といった正解はありません。重要なのは、「いかに安くなったように見せるか」ということ。これにはちょっとした「数字のマジック」を利用します。
たとえば、下記の2つのケースを比較してみて下さい。
【ケース1】3800万円 ⇒ 3700万円に値下げ
【ケース2】2580万円 ⇒ 2480万円に値下げ
どちらも100万円の値下げですが、印象としてケース2のほうが、「安くなったな」と感じないでしょうか。
さらに、こちらはいかがでしょう?
【ケース3】3030万円 ⇒ 2990万円
ぐっと「値下げ感」がありませんか?しかし、ケース2では100万円下げのに比べて、ケース3ではたった40万円の値下げにすぎません。
不動産に限らず、一般的に、値段の設定として「~80円、~90円」という値付けが多いことにお気づきの方もいるでしょう。これは1~4までは高く感じ、6~9までは安く感じるという「買い手の心理」を利用したもの。
ちなみに5と0に関しては、安いとも高いとも感じないそうです。ですから、値下げ価格はもちろん、売り出し価格も「~80万円、~90万円」という数字を意識してつけると、インパクトが出ます。
値下げの場合はもう一つ、価格帯の変動も意識しましょう。これも買主の立場になればわかります。マンションを買おうとインターネットなどで検索する際に、あなたならどう検索するでしょうか。「○千円台」「2500万円以内」というように探すはずです。
たとえば、4000万円台で売りに出しているマンションは、3000万円台で探しているお客さんのアンテナには引っかかってきません。つまり、あなたのマンションの情報が入っていないのです。そこで、4280万円の売出価格を3980万円に値下げすれば、そうしたお客さんの目に留まり、売れる可能性もあるというわけです。
インターネットの価格帯は、だいたい500万円刻みになっていますから、2580万円なら2480万円というように、価格帯の変化を意識して値下げをしてみると効果が期待できます。
●値段の「0」の前につく数字
●価格帯の変化
この2点を意識して、マンションの値下げ額を検討してみて下さい。