不動産屋があなたのマンションの販売活動を怠っている
不動産屋が受け取るのは成功報酬。買主が現れて、売買契約を結んだ後に売主から受け取る「仲介手数料」がそれに当たります。ですから、基本的には「販売活動」を怠ることは考えにくいケースです。
しかし、稀に下記のようなケースも考えらえるので、注意が必要です。
(1)レインズに登録しない
専任媒介契約締結後の、レインズへの登録は不動産屋の義務です。しかし、中には、売主に知識がないのをいいことに、レインズへの登録を行わない不動産屋もいるのが実態です。
なぜ、そのようなことが起こるのか。それは、不動産屋が「仲介手数料」を二重取りしたいからです。
マンション売却後、売主のあなたは媒介契約をした不動産屋へ「仲介手数料」を支払います。この売買取引で、もし買主も自分の不動産屋で見つけたとしたら、不動産屋は買主からの手数料収入も得ることができるわけです。
仮にAという不動産屋が物件情報をレインズに登録すれば、他の多くの不動産屋と物件情報を共有することになります。そこで、Bという不動産屋が問い合わせをしてきて、買主を紹介された場合、買主の手数料はAではなくB不動産屋に支払われることになります。この分まで、独り占めしようと考える「悪徳不動産屋」も、なきにしもあらずと知っておいて下さい。
レインズ登録は、売主にとって広く物件情報を知らせる大切な「広告活動」。売主の立場になって、売却をスムーズに進めようと思ったら、レインズへの登録をしないという選択肢などあり得ないはずです。
媒介契約を結ぶ際に、レインズへの登録について、きちんと確認しておくと良いでしょう。
(2)仲介手数料が安い
不動産屋も他社との競争にさらされ、あの手この手で客の呼び込みに必死です。中には、「手数料2%に割引」といったキャンペーンをしているところもあります。
「マンション売却にかかる『手数料』について」でも触れましたが、手数料収入は、不動産屋が物件に対してかける「宣伝広告費」にも使われるもの。つまり、仲介手数料が安いということは、広告費に限らず人件費など、どこかで切り詰めて無理な経営をしている可能性も考えられます。
もちろん、収益がきちんと上がっていて、お客さんに還元という良心的な不動産屋もあるでしょう。信頼できる不動産屋の手数料がたまたま安かった、というのなら問題ありません。しかし、「安くてもどこか怪しい」「こちらの要望をきちんと聞いてくれない」と感じるようなら、その直感は意外と当たっているもの。別の信頼できる不動産屋を見つける努力をしたほうが良いでしょう。
また、知識のある方が「3.15%+6万3000円の仲介手数料は上限額だから」と値切るのも、同様の理由からあまりお勧めできません。使える経費が削減されたり、不動産屋の担当者の士気が下がったりなど、自ら「売れない」条件をつくる要因になる可能性もあります。
以上、2点は媒介契約を結ぶ前に、きちんと確認しておくことをお勧めします。特に、売却を急ぐ方にとっては、時間のロスを生じさせるので、気をつけたい点です。