中古マンションが売れやすい時期はある?
進学や就職で人が動く春先に引越し・引渡しができるようなスケジュールで売りに出すという「売却の鉄則」がありました。
ここが「需要の高い時期 = 売れる時期」だったからです。
しかし、今はまったく関係ないとまでは言えませんが、昔のように「時期」が売れ行きに大きく影響を受けることは少なくなっています。
その理由としては、
マンションの需要と供給のバランスが崩れ、常に「供給過剰」状態にあり、買い手市場のため、売りに出しても売れるまで時間がかかる
ファミリー層が減り、夫婦共働き世帯や単身世帯が増え、引越し時期にこだわらない
といったことが考えられます。
また、買い手の家の探し方も変わってきている点も見逃せません。特に若者ですと、不動産屋を直接訪ねる前に、まずインターネットなどで不動産情報を探して比較検討することから始めるでしょう。
自宅にいながら気軽に情報を得られるので、差し迫っていなくても、購入への興味を持った時点でネットにアクセスを始めます。ここに「時期」は関係ないのです。
今の時代、市場価格よりも低い値段で売り出す場合を除き「売れるまでの時間」を読むのが難しくなっています。しかも、人口の変動やライフスタイルの変化、そして供給過剰という日本の不動産市場の先行きを考えると、大きく需要が改善する見込みは低いと考えるべきでしょう。時間が経てば経つほど、売りにくくなる可能性が高いのです。
買うほうは「底値」で買いたいし、売るほうは「底値」を脱したところで少しでも高く売りたいというのが本音。しかし、「底値」がいつなのかは、実は誰にも読むことができません。結果論として、「あのとき買って(売って)おけば」という感想を持つに過ぎないのです。
結論としては、「マンションを売却する」と決めたら、時期にこだわらずに、1日でも売りに出して市場の反応を見ることをお勧めします。詳しくは必ず売るための「戦略」の立て方で説明しますが、まずはあなたが売り出した価格で、買い手が興味を示すかを探ることがマンション売却への第一歩です。
原則は「早く売り出すこと」。そして、市場の反応を見ながら、価格を見直していくことで、マンション売却を成功へと導いていきましょう。